子どもの内なる力を伸ばす3つのヒント:やってみたい・考えたい・やり抜きたい─子どもの「心の助っ人」を育てる方法
前編では、感情の扱い方やしつけなど、子どもの基盤となる力を育てる4つのヒントをご紹介しました。
後編ではさらに、子どもが自分の内面をコントロールし、挑戦を楽しむ力を育むための3つのヒントをお伝えします。
子どもの心を支えるために、ぜひ参考にしてみてください。
「インサイド・ヘルパー」
子どもが「積み木のタワーを壊したい」と思うこともあります。
そんなときは、次のように一緒に考えてみましょう。
「壊したらどうなるかな?」
「壊すと気持ちいいね、それが“いいこと”」
「でも悪いことは何かな?」→「その子が怒る」「先生に言われる」「先生に嫌われるかも」…
このように「いいこと1つ・悪いこと4つ」と整理することで、
子どもは**「壊すと気持ちいいけど、悪いことが多い。だったら自分のタワーを作って壊そう」**と考えられるようになります。
良心や道徳心は「禁止する力」だけでなく、「良い行動を後押しする力」にもなるべきです。
創造的で優しい行動を選べるようにする「インサイド・ヘルパー」を育てることが大切です。
死について正直に話す
子どもが「死」について質問してきたら、
「それは誰もコントロールできないこと=3番目のバケツ」と伝えましょう。
そのうえで、
「人はたいてい長い人生を生きるよ。5歳になって、6歳になって、小学校に行って…」
と、死までの道のりを長く・少し退屈そうに説明するのがおすすめです。
そうすることで子どもは「今すぐ心配することではないんだね」と感じ、不安がやわらぎます。
注意深く見守る(=観察する力)
赤ちゃんが、片手にスプーン、もう片方にストローマグを持っていたとします。
何度も失敗しながらも、自分で飲もうとがんばっている——
そばで見ていたお父さんは「手を貸したい」と思いながらも、手を出しませんでした。
赤ちゃんは困って泣いていたわけではなく、一生懸命に挑戦していたからです。
やがて、スプーンを持ったままマグの取っ手をつかみ、飲み口を口元まで運ぶことに成功しました。
その瞬間、赤ちゃんは顔をぱっと明るくし、喜びの笑顔を見せました。
このお父さんは、子どもにとっての「ストレスではなく成長につながる適度な挑戦(=ストレッチ)」を学んでいたのだと思われます。
一方で赤ちゃんは、自分でやり遂げる喜びを知り、その達成感が次の挑戦への原動力となっていきます。
こうした「感情の筋肉」は、人生を通してとても大切です。
粘り強く取り組む方法を知らなければ、努力してやり抜く経験がなければ、そして達成感という報酬を知らなければ、
人はなぜ学び、なぜ挑戦するのでしょうか。
有能さ(competence)とは、赤ちゃんの頃から見出され、育てられていくものなのです。
子どもが「やってみたい」と思える力、「良いことを選び取る力」、そして「粘り強く取り組む力」は、日々の小さな関わりの積み重ねで育ちます。
親がそっと寄り添い、やさしく見守ることで、子どもは自分の力で人生を切りひらく準備を整えていきます。
今回の7つのヒントが、みなさんの子育ての毎日に少しでも役立ちますように。
(参考資料の紹介)
今回の記事は、長年子どものカウンセリングに携わっている2人の精神分析家のインタビューを参考に作成しています。インタビューは以下の動画にてご覧になれます。

