あなたが無意識にしている“心の防衛”とは?

防衛とは

私たちは、知りたくない「何か」があることがわかると、「何か」を知ることをどのように避けられるかについて考え始めます。

この時、不快なこと・不協和な「何か」から注意を逸らしてくれるものすべてが防衛と言えます。

つまり、「何か」に気づかないこと。「何か」について考えないようにすること。何か別のことをして注意を逸らすこと。これらすべてが防衛と言えます。

例えば、外の気温の変化にもかかわらずヒトが体温を一定に調整する機能(つまり、生物学的な平衡とホメオスタシス)を持ち合わせているように、心理学的システムも、平衡とホメオスタシスを保つために調整を行います。

心理的バランスを崩すような、私たちが慣れた考え方、感じ方、捉え方とかなり不協和な「何か」が起こると、私たちはそれを回避し、否認し、気にしないようにする。あるいは過少化し、それについて考えないようにすることがあります。

このような視点はいくつかの心理療法で活用されています。

例えば家族療法では、家族の中にある機能的でないパターンを維持しているものを取り除くようにしています。

こうすることで、より適応的な形で再組織化が行われることを期待します。

例えば精神分析的心理療法では、私たちが繰り返す機能的でないパターンを維持するプロセスを
理解し、中断させる
ことに取り組みます。

精神分析では、このことが「抑圧」という言葉で表され、いかにも非日常的なものとして扱われてきましたが、このような体験の否認は日常的に起こっているものです。

例えば、人は自身の大切にしている考えや信念が「何か」によって脅かされた時、「何か」についてその人自身の体験として話すというよりも、世間一般のこととして話す傾向があります。

このような体験の否認が反射的にかつ習慣的に行われ、その人の一部になります。

以下は「何か」とその人の一部の例です。

  • 「拒絶感・拒否感」から自身を防衛するために、怒りの感情が生じる。
  • 「怒り」から自身を防衛するために抑うつ感が生じる。
  • 「自己卑下」から自身を防衛するために傲慢さが生じる。
  • 「つらい現実への直面」から自身を防衛するため困惑が生じる。
  • 「激怒や屈辱などの感情」から自身を防衛するため論理に固執するということが生じる。

防衛の種類

防衛にはいろんな種類があります。

例えば、私たちは自分の望ましくない「何か」に驚くほど気づかないことがありますが、この時の防衛について種類ごと例を用いて以下に紹介します。

  • それをすぐに他に帰属させる・・・投影
  • 反対のことを強調し自分の態度を隠す・・・反動形成
  • 平然と目の前にある情報を無視する・・・否認
  • 感情が絡む話題について冷たく抽象的に語る・・・知性化
  • 自分を恐れていないと説得し、無謀に飛び込む・・・反恐怖的行動
  • 間違った人に感情をぶつける・・・置き換え
  • 自分たちが耐えられない気持ちを他者に生じさせ、それを他者の中で処理しようする・・・投影同一化
  • 自分がコントロールできない外的環境に帰属させ、自分の行動の責任を放棄する・・・外在化

上記を読んで感じた方もいると思いますが、私たちは、不快な「何か」を回避したり否認したりする方法について無限に考えつくことができます。

防衛と性格

私たちの防衛の仕方は性格の一部となっています。

例えば、細部にこだわりを持ち具体的な部分にしか注目しないAさんは、全体像を捉えることができないかもしれません。

この時Aさんは、細部に注目することで、複雑な情緒に触れるのを回避することができます。

また例えば、反対に細部に注目することはできないBさんがいたとします。

Bさんは、自分や他者の捉え方が軽薄で表面的になるでしょう。

このような防衛の仕方は、煩わしい事実を直視することから解放してくれると言えます。

さらに例を挙げましょう。自分が常に優れていると思い、偉そうにふるまうCさんがいたとします。

Cさんはこうすることで、空虚感や不完全さからくる苦しさを追い払っているかもしれません。

またDさんは、自分の欲求に無頓着ですが、代わりに他者の欲望に対して過剰に注目したりします。

Dさんは何を防衛しているのでしょうか?ここまで読んだ方ならいくつか想像できるかもしれません。

防衛は、パーソナリティと離すことのできないものです。

精神分析的心理療法は、私たちが否認する体験などを認識し、自分のものをしっかりと自分のものとして認めることを助ける営みでもあります。

そうすることで、自分の自由や選択の幅が広がると言えます。

セラピーを受けることで、今までの人生において、自動的で義務的に感じられたものが、自分の意志で選択できるようになり、人生における選択肢が増えると考えられます。

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